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遠坂薬局本店-何もかも大正時代のままの空間

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京都府の北部にある綾部市は、下着メーカーのグンゼと、大本教の発祥地として知られている。
静かな駅前の商店街を歩いていると、戦後からずっとあるような外観の薬局がある。
黄色の戸の枠が印象的な薬局の名前は、「遠坂薬局本店」という。
さっそくお邪魔してみよう。

★時代を超えてきた看板たち★



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遠坂薬局は、外観から内装まで、ここは戦後か?と思えるようなものに溢れた稀代の空間だ。
しかも、今でもこの姿のまま薬局として営業している、生きた戦後のような場所だ。

まずは入口。
博物館や『三丁目の夕日』を再現したテーマパークのように見えるだろうが、建物、看板、置物など、これらはすべて現存する店舗だ。
地元の人は町にあるごく普通の風景の一部として、この店で買い物をしたり世間話をしているという。

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ピンクのタイルに、黄色の窓枠が映え、そこにはまる「会鉄丸」と書かれた木の看板が似合う。
窓の向こうには、これまた謎のメガネオヤジと尼さんが映る。

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やはり薬の看板だ。
左のメガネのオヤジの看板は、「大学目薬」という、田口参天堂(現在の参天製薬)が作り、世に参天の名前を知らしめるほどヒットした商品のもの。
ホームページによると、発売は1899年(明治32年)とあるので、この看板は古く見積もっても、100年は超えているのかもしれない
右の「毎月丸」は、生理の薬で、丹平商会が作ったという。

さしずめ、この遠坂薬局は、薬の看板の博物館といったところか。

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格子窓の向こうから、金のどくろがのぞいている。

たんやぜんそくの薬らしいが、あまりにもおどろおどろしい。
今の薬のパッケージなら、見た目に優しいものが市場に溢れているが、病気をこのようにどくろに例え、それが市場に溢れているということは、病気への恐れが今より多いものだったことを物語っているようだ。

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店内に入ると、これまた明治か大正のような薬局の姿をとどめている。

薄暗い店内では、市販の薬に混じって、古い看板や薬箱が店のいたるところにあふれていた。

そう、皆がイメージする街の薬局やましてドラッグストアとは違った空間なのだ。
棚が並び、そこに商品が陳列され、そこから客が勝手に商品を取ってレジへ…、というものではない。

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応接用なのか、店の真ん中には、ソファーが鎮座し、その周りは広く取られていた。
この店に商品はあふれていない。古いものが溢れていることだけがわかる。

働いてひと段落した後に、ソファーに腰掛け、日差しをゆっくり見守る…
そんな穏やかな過ごし方をしてみたくなる。

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天井にも、はっぴのような衣料と、看板が吊られていた。

看板は、ウエハースらしい。
進物とあるので、当時としては高級品としてみられていたのかもしれない。

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「腸管寄生虫の生態」の下には、リアルな内臓の写真。
その横には、女の子の顔写真が並んでいて、実に意味不明すぎる。

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仕事机もまた、趣きがある。
店にあるものに比べ、年代が近くなってきて、「おじさんの机の上」といった感じになるが
周りの空間と相まって、なぜか存在感がある場所になっている。

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「みやこ染」と書かれた木の棚。
引き出しを開ければ、ずらりと青、赤、水、エンジ色などの染料のビンがならぶ。

8段あり、1段あたり7列あるので、この棚には56色あることになる。
呉服屋でもないのに、この染料を持っているというのは、どういうことだろう。

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この細かい引き出しが並ぶ棚は、薬の棚。
中には漢方薬や鉱物が入っているという。



★どうやって手に入れたのやら…★



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それにしても、まだまだ看板は店内のいたるところにある。
古い日本のものながら、どこかハイカラなものを感じさせる看板たちをもう少しご覧頂こう。

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「子宮全治丸」とは名前がすごい。なんだかわからないけど、子宮が全治するのだから。
その横にある「ゲヒルン」はよくわからないけれど、ドイツからの輸入品だろうか。
他にも「胃活」「神丸」「キナヒリン」「天寿」とある。
昔の薬のネーミングセンスは、神社のお守りみたいだ。

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これまた、昔の商店にかかっているかのような貫禄ある看板が店を埋め尽くしている。

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縦長の「美神丸」というネーミングがまた、薬は神がかったもの、というイメージが大衆に流布していたことがうかがえる。
病気はとにかく怖い得体の知れないもので、薬は神がかっていてこれを飲めばとにかく治る、というのが、100年も前の人の医療の考え方だったのかもしれない。

神や悪霊の存在も科学によって否定され、体系化された医学理論によって病気を治療できるようになった今とでは、医療観が180°違って見える。

ちなみに、「こしけ」とは子宮内膜症のこと。
現代では手術で治療するが、当時はこのような薬や漢方で徐々に治していったのだという。

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「マクリ」や「リベール」といった外国から輸入した薬の看板もある。

このようなカタカナ表記の薬の看板は、江戸時代にも存在したという。
19世紀初めには、「ウルユス」「ホルトス」といった看板が街にも掲げられており
それらはオランダから輸入されたものだという。

さすがに、明治以前のものまではないかもしれないが、これらの看板も当時の世相を伝えているかのようだ。

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白い招き猫の置物が、100年も経つような看板の中に違和感なく置かれている。
その佇まいが妙に馴染んでいて、日本の昔の商品のデザインは、現在売られている商品と比べ、空間内で他の商品と違和感なく共存するようにできているのだと思う。

昔のものにあふれつつも、どこか調和が保たれたこの遠坂薬局。
いつまでこの姿のままで生きていけるのだろうか。



◆関連サイト:「昔の薬のパッケージ画像
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