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和歌浦-廃墟と旅館のモンテカルロ

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和歌山市の南側の海辺に、「和歌浦(わかのうら、わかうら)」という名所がある。
湾の北側にあたるこの地は、奈良時代からすでに景勝地として名高く
特に明治末期から昭和30年代までは観光客が多く訪れ、日本随一の新婚旅行スポットだった。

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和歌浦は海に面した斜面を道路が走っている。
狭い土地に旅館やホテルなどが立ち並び、その間をグネグネと車道が走る様子は
あたかも、モナコのモンテカルロを彷彿とされるものがある。


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一見、華がある印象だが、それも昭和30年代までの話だ。
それ以降は衰退を続け、今ではその頃を見る陰もない。
過剰になった観光開発は、今、和歌浦にどんな陰を落としているのだろうか…。
★廃墟の間を走る★

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和歌浦の道は、崖の上をくねくね走っているようなものだ。
行く先々に民家が立ち並んでいるが、中には写真のような高そうな住宅もある。
きっと誰かの別荘かもしれない。
和歌浦の海の見える地に別荘を建てることは、今でも憧れなのだろうか。

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和歌浦の市街地を抜け、一本道に入ってしばらくは、旅館街が続く。
写真を撮影した頃は冬で、観光客はほとんど見かけない。
先の明治、大正時代などは、観光客であふれていたことだろう。

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一本道を曲がりながら進むと…。

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その先に見えてくるのは、バリケードで囲まれた、旅館の廃墟だ。

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和風の建物をツタが無造作に覆い、窓ガラスが割られている。
管理者を失った建物は、荒れるのが早い。
また、侵入者も絶えず、建物内の荒廃に拍車をかけているのだ。

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廃墟マニアの間では、和歌浦は「廃墟の聖地」と称されるほど有名だという。
旅館の廃墟がそこかしこに並び、いずれも魅力的な物件だったそうだ。
(ただし、2005年10月に一斉に取り壊しが行われ、廃墟の大半は消えてしまった。)

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そのため、旅館の建物は少なくなってしまったが
廃旅館などは未だに見ることができるのだ。

これは営業休止した土産屋。
肥大化しすぎた観光地に需要がなくなると、いとも簡単に土産屋の生命線が絶たれてしまうのだ。

その背後の重機は、きっと廃旅館を撤去して、この地に陰の歴史があったことを消し去ってきたのだろう。

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また、営業中の旅館・ホテルも、生き残りのためにダウンサイジングを迫られている。
とあるホテルは、営業方針上、海の見える食堂・ラウンジ(?)を営業せず
半ば倉庫のような状態に放置していた。


無駄な部分は切り落とさないと、旅館という船が沈んでしまうからだろう。

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そうしないと、旅館のマイクロバスの横の巨大なブロックのように
あとは朽ちるのを待つだけの存在になってしまうかもしれないからだ。

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これは一本道の入り口にある旅館街の一角を占める空き地だ。
おそらくここも旅館だったに違いない。
ただの空き地に不釣合いなコンクリートの基礎がそれを物語っている。

増えすぎた観光旅館の末路は、このような不釣合いな風景かもしれない。



★斜面にへばりつく家々★



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さらに先に進むことにする。
崖の上の道路と、大きな旅館というミスマッチ加減が魅力的だ。

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表は何の変哲もない古い旅館だが
裏手から見ると、あらゆる建物がツギハギされて造られていることがわかる。
そして、建物は崖の下へと続いていくように造られている。

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その先は、斜面に家々が立ち並ぶ「田野」という集落だ。
斜面の下にある漁港まで坂が続き、その途中に家がびっしり建っているのだ。

一本道は同じ高さを保ちながら、集落の上を通り過ぎていく。

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斜面を見れば、このように一見無造作に家が並んでいるように見える。
急な坂の下から上まで家は続き、その頂上は…

なにやら城のような建物が、威風堂々と町を見下ろしている。

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今回ここでは触れていないが、田野の集落へ降りるには
一本道から分かれる道を降りていくことになる。
ヘアピン状のカーブを降りる坂の途中にも、変わった家の建て方がみられ、興味深い。

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ちなみに、一本道へは無数の階段が集落の下から伸びている。
建物と建物の間の狭い場所を通るので、細くうねっている。
港までは40m程度の高低さがあり、軽い登山のようだ。
もちろん、住民はこうした階段を毎日使っているのだ。


★過去の栄光のままじゃいられない観光地★


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先も触れたが、田野の集落には、謎の城のような建物が、堂々と建っている。
まさに和歌浦の観光の栄光の象徴のような外観は、奇抜で人によっては悪趣味に見えるがインパクトがある。
この建物は、かつては旅館だったのだ。

かつて栄華を誇ったであろうこの城もまた、1970年代からはじまる和歌浦衰退の波に呑まれていき、廃業に追い込まれたのだ。

どういう経緯で現在の状態となったかは不明だが
現在は、「ケアハウスわかうら園」という介護施設に生まれ変わった。
ホームページ内の施設案内を見れば、部屋は改装がなされているが
茶室や大浴場は多少老人向け仕様になったものの、旅館時代の面影をとどめているようだ。

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また、元旅館の跡地にも、「特別養護老人ホーム ほうらい苑」という介護施設が建っている。
これが建つまでは、マニアの間では有名な廃墟だったらしい。

今後は取り壊された旅館の跡地を活用した建物が、介護施設に限らず出てくることだろう。

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さらに、和歌浦には変わったカフェが現れている。
スハネフ14-1」という変わった名前の「海のみえる丼cafe」というコンセプトの店だ。
この店名、鉄道好きならピンとくるかもしれない。
そう、「スハネフ14-1」とは、ブルートレインの客車の呼び名のこと。
ここの店主は鉄道好きで、店内のいたるところに鉄道模型が走っているほどなのだ。

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その向かい側には、「カハナベイ」という海が見下ろせるオーシャンビューカフェ&居酒屋があり
ハワイアンミュージックをBGMに、海を見ながらランチを食べたり、酒を呑んだりできる場所がある。

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昔からある旅館にも、新しい動きがあるようだ。
和歌の浦温泉 萬波」という温泉旅館は、一見昔ながらの大きな旅館のように見えたが
外観はこの通り、「MANPA RESORT」というブランド名を使って、今までの旅館と一線を画すコンセプトを打ち出しているのだ。

海が見える露天風呂や豪華なクエ鍋懐石は当たり前。
和室も現代風の若い女性に受け入れられやすいように改装され、貸切風呂に色とりどりのバラの花を浮かべ「バラ風呂」にできたり、貸切風呂もオシャレな感じなものを借りることができる。
建物自体も廊下やラウンジがダウンライトで照らされ、ソファや家具はデザイン的なものが選ばれている。
リラクゼーションエステやネイルサロンのコーナーもあり、旅館とは違ったリラックス感を追求したものになっている。

近頃、「じゃらん」などの旅行雑誌を読むと、従来の温泉街の旅館は、生き残りのためにこのように改装をし、今までにないサービスや観光客に喜ばれるような客室や温泉を提供し、快適さを追求するようになってきたというのが、ここ最近の流れだ。加えて、旅館の低価格化が進んできている。
旅行雑誌には、1万円以内でそんな上等のサービスを受けられる宿が目白押しだ。

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また、この旅館も一見昔ながらの旅館のように見えるが…。

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漁火の宿 シーサイド観潮というホテルもまた
「紀州備長炭の湯」や「漁師から直接仕入れた自慢の魚料理」を前面に押し出してきている。
もちろん、客室も和風モダンに改装され、若い女性向けに、色とりどりの浴衣やアロママッサージなどのエステ、レトロなモザイクタイルの貸切風呂などの工夫もなされている。

もちろんこれらの宿は、「じゃらん」や「楽天トラベル」などで予約することもできるのだ。




現在は「軍艦島」や「志免炭鉱の竪坑櫓」、「摩耶観光ホテル」に代表される廃墟が一大ブームだ。
しかし、いくら廃墟ブームという追い風があり、和歌浦が廃墟の聖地と呼ばれていても
廃墟だらけとなっては、他に営業している観光業に差し障りがあるのではないか。

やはり立ち並ぶ廃墟を怖がって、近づきたがらない観光客の方が多いだろう。

たしかに廃墟を活かすという和歌浦の生き残り方も選択肢の一つだろうけれど
(ただし、2005年に廃墟が取り壊されなければの話だが)
廃墟だけなら、ただの一過性のブームが過ぎれば、和歌浦はペシャンと潰れて観光地として人々が寄り付かなくなるだろう。

その中で老人介護施設が建ったり、変わったカフェがあったり、旅館が生き残りを懸けて新たな道を模索したりするという選択肢を増やして、生き残りの可能性を高めることが必要になってくるだろう。

過去の栄光のままではいられないのだ。


次回は、和歌浦の入り組んだ漁村「雑賀」の町をみてみよう。


次のページ>>>



◆和歌浦に泊まろう!

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