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「路地裏から街を見る」 京阪神を中心に、日本各地の路地裏の風景をくまなく歩いて紹介!

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谷町の路地裏と駐車場化(2007-10)

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大阪市の谷町5丁目―谷町筋の道路が地下に潜る手前の場所―は以前
人一人通れるくらいの路地が連なる昔ながらの集落があった。
薄暗く細く生活感あふれる路地は、日本と近いようで遠い、どこかにいるような感覚を覚えたくらいだ。

ところが、中心市街地がその形を変えていく波は、大阪の都心でも起こっていた。
この古い路地が徐々に駐車場へと姿を変え、悲惨な末路をたどるようになっていくのだ。
その様子を、2007年2月、2008年7月、2010年5月の3回に分けて撮影し
駐車場化への経過を追った。
ちなみに、今でもこの路地の姿を見ることができる。
★2007年・昼でも薄暗い路地裏★

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谷町筋の裏手は、あまり知られていない場所だ。
古い町並みが残り、落ち着いた下町でありながら、迷路のような路地が顔を出すこともあり
町を歩く楽しみを残している場所だ。

そして、この谷町5丁目の内久宝寺町という場所には、2007年くらいまで、このような細く暗い路地裏が広がっていた。

車なんて置けない。


人が一人二人通れるかどうかの細い路地は、昼だというのに薄暗い。
両側の木の壁は朽ちて魚のうろこのようになってしまっていた。

uratanip03.jpg


このように薄暗くても電気がついており、いくつもの電線が宙を流れていく。
その奥には、高層マンションだ。
ここ大阪でも、都心回帰が起こっており、その受け皿として高層マンションが建設されている。

マンションをバックに建つ路地裏の姿は、あたかも開発ラッシュの北京のようだ。

uratanip04.jpg


印刷所らしい。
印刷の古い機械が音を立てていた。
人の気配がするようで、人の姿を見なかったこの場所で、人が活動し、食い扶持を稼いでいるという当たり前の光景があることにホッとしてしまう。

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神社の前に、工場の製品が置かれている。
細いながらも独自の現代生活の営みがあった。

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見上げれば、高いマンションがそびえ、低い路地裏を圧倒していた。
この光景がいつまで続くか、と不安になっていたが
その光景の終わりは、すぐにやってきた…。



★2008年・街路が切り取られていく★


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その翌年の7月、この路地を思い出して、寄ってみたら…

街路の半分以上が切り取られ、このように駐車場になってしまっていた。


この区画全体が一様に更地になって駐車場になったのではない。
徐々に住人が家と土地を手放していったのだろう
イビツな形の駐車場と住宅地が並存する形になってしまった。

民家のすぐ横がこんな駐車場になってしまって、強烈な違和感を覚えずにはいられない。
(住民はどう思っているかは知らないが)


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狭い土地にひしめき合っていたので、全容が確認できなかった建物も
このように遠くから丸見えになってしまった。
「路地裏のショーケース」というのか、秘められた生活空間が
明け透けになってしまって、幻滅感を覚えてしまう。

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その路地を歩くと…見事にかつての細い路地の形を残しつつ
反対側はパックリ駐車場になってしまい
あたかも亜空間への扉が開いてしまった、違和感だらけの空間になってしまった。

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ここもまた、家が切り取られて駐車場になってしまい
シルエットだけになってしまった。
自然発生的にできていったような細い路地に
あたかも人工的に作られたような建造物が現れてしまう。


どこか痛々しさを感じる風景というものが、これからいたるところで見られるようになってしまうのか…!?

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まだ残っていてくれという想いと
空間が切り取られてしまったという複雑な心境を抱きつつ
まだ手が掛かっていない路地裏に潜りこんだ。

ところが、無情にもこの秘められた空間にも、駐車場化の手が伸びる…。


★2010年・何もかもが消え去ってしまった★


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2010年の5月、谷町筋に用があったので、ついでに寄ってきた。
日常的なオフィスと住宅が混在するこの地区では
人々や車が当たり前のように通り過ぎてしまう。

ところが、谷町5丁目のこの街区は、あまりにも穏やかならざる心境を覚えてしまう。

フェンスで仕切られた向こうには…

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駐車場でさえも封鎖された路地の姿だった。


駐車場になったものの、採算が取れなかったのか、地主の都合なのかはわからない。
明らかに建物が減って、立ち入りができなくなってしまっているのだ。

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その姿は、電柱だけを残して、あの穴倉のような路地裏たちが、全て消え去ってしまったものだった。


何もない。
ここをはじめて通った人にとっては、この土地がどんなものだったかを想起する材料が一つもなくなっている。

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舗装が新しいまま、その役目を終え、次の用途までの時を待つだけの土地。
ぽっかりと穴が開いたような虚しさばかりが漂ってくるようだ。

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この「元」路地に残されていたのは、わずかな道の舗装だ。
これだけがこの地区の姿を思い出させてくれる材料にしかならないほどだ。

ほら、こんなにも細い路地の両脇に、所狭しと建っていたのですよ。

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ただし、この地区の一部だけは建物が「孤島」のように残っている。
印刷かなんかの会社らしい。
これだけ見ても、昔の姿を想像できない。

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取り壊しの途中なのだろう。
電柱だけが工事の手順上の都合で残されている。
電線が切れて落ちているのは、電線に触る人がいないから放置しているのだろうか。

こうしてみると、集落が他国の攻撃を受けて滅びたように見える。

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工事はまだ続くだろう。
一時封鎖されているが、おそらくまた駐車場として利用されることになるかもしれない。
完全に土地の記憶が消えた状態から、何事もなかったかのように
新しい土地としてスタートするのだろう。

それとも、前の土地の記憶を躍起になって一掃していくことになるのだろうか…
記憶を残しつつ、土地の新たな始まりを迎えるのだろうか…。
それは今後も見守りたいと思う。

uratanip20.jpg

「あぶないからはいってはいけません!」とフェンスのヘルメット男は言うものの
この路地が、生活の道になっているのだろうか
地元の人が何食わぬ顔して通り過ぎて、階段を上がっていく。


こうした営みが、さらなる駐車場化で消えていくのだろうか…。
車では入れない、ある意味「聖域」のような空間に、徐々に車が入り
最後は車でさえも及ばない場所になってしまった。

その無常の先は、どこに続くのだろうか…。





より大きな地図で アゲインスターズ的日本 を表示
※航空写真を見てみると、2008年時点のものが写っている。
 駐車場がこの地区に侵入し始めた頃のものだ。
 2007年は、この駐車場部分も、細い民家で埋まっていた。
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この風景はまさに、東京で言うところの「勝どき」や「小伝馬町」等の駅周辺に重なりますね。

この間、東京メトロ日比谷線の入谷駅から隅田川まで歩きましたが、都心周辺の平地では、最後の聖域とも言える屋並みを堪能する事ができました。

この界隈も、東京スカイツリーが完成し、JRの東北縦貫線が開業する頃には、相当な変貌を遂げてしまうのではないか?と思います。また1年ほど間を空けて、同じ辺りを歩いてみたいと考えております。

吉原のソープ街辺りから、路地の向こうにスカイツリーが聳える風景を眺められるのは、けっこう新鮮でしたよ。
[ 2010/07/18 14:01 ] [ 編集 ]
…といいますと、古くからの下町のようですね。
なるほど、谷町というロケーションはほぼ重なります。
写真などを見たり、このような話をお聞きしたりして、東京って街は大阪よりもダイナミックな変化を感じられる街なのかなぁ、と勝手に想像してます。
まぁ僕がおのぼりさんとして訪れたら、街の規模に圧倒されますが…。

東京で変わっているのは、都心あたりと聞きますが
そうですか、東部や下町もかなりの変化の只中にあるのですね。
[ 2010/07/19 00:57 ] [ 編集 ]
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