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青空駐車場だらけになっていく中心地

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(下関市豊前田商店街。アーケードの横に広がる駐車場。)


この記事は、市街地に増えてきた駐車場が、「市街地の衰退」の象徴とみられている中で
果たして本当に悪玉か?もっと別のあり方があるんじゃないか?
という視点で書いている。
★市街地活性化の苦肉の策か★

2000年前後から、地方をはじめとして中心市街地や商店街は、どんどん衰退し
人通りは少なくなり、いわゆる「シャッター通り」と化してしまった商店街も後を絶たなくなってしまった。

その一方で、まちづくり三法によって現れた巨大なショッピングモールや、規模を増す幹線道路沿いのチェーン店(ロードサイドビジネス)が車社会の拡大とともに、多くの顧客を取り込むこととなり、車でのアクセスや駐車が困難な中心市街地を直撃することとなってしまった。

それに対し、中心市街地や商店街も生き残りの策を立てているようだ。
ロードサイドビジネスやショッピングセンターの存在や、車社会であることを前提とし、それらにない街の魅力を最大限に発揮し、市街地の再生を模索していく「ポスト商店街時代」のまちづくりの方法が徐々に各地で進んでいる。

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(福岡県飯塚市。目立つ建物は百貨店「井筒屋」。)


ところが、車社会を前提とするということは、マイカーで市街地へ乗り入れ、市街地の駐車場に駐車する必要がある。
そうなると、市街地に多くの駐車場が必要になる。
「パークアンドライド」(都市周辺の駐車場に停め、そこから公共交通機関で市街地へ乗り入れる。)という策をとっているところは多いが、なかなか普及せず、依然としてマイカーで直接乗り入れが主となっている。

かくして、市街地に駐車場が増えていく。
市街地の駐車場の面積は、10年前に比べ増加したといわれている。
特に大都市の郊外や地方都市でそれは顕著であるという論文もある。(参考サイトPDF)
ところが、駐車場の増加が、都市の美観を損ね、商店や住宅が減り、中心地を車が通るため安心して歩けなくなったりして、市街地の衰退の象徴となっているとの声があり、市街地の駐車場を悪玉としてみる意見が多い。
金沢市では、中心部の宅地面積の14%が青空駐車場となり、このままでは金沢の顔である市街地を後世に継いでいけなくなると危惧している。(参考サイト

写真は福岡県筑豊地方の中心都市・飯塚市の商店街のすぐ裏手にある駐車場だ。
このようにかつての商店を潰し、駐車場に変えることで、このような空洞のような空間ができる。
都市景観として無機質で、統一性を欠き、商業活動が行われない広漠とした空間を、問題視する声は多い。

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(市街地の建物を潰して建てた駐車場。京都市中京区西院)


中心部に大規模な駐車場が現れることより、このように小規模の、街の一部の建物を潰して作ったような
「櫛の歯が欠けた」ような駐車場が増加している。
「都市景観の統一性を欠く」として問題視されるのは、主としてこのタイプだ。

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(岡山市表町商店街の外れ。かつて映画館が林立していたらしい。ここも映画館の跡地。)


こちらは商店街のすぐ脇にみられる広い駐車場だ。
人が密集する商店街ではない、空白地帯のような印象を与え、商店街の衰退を予感させるような印象につながっているようだ。
そうした場所が少なくなって、かつての商店街に戻って欲しいと願う人は多いだろう。

だが、ある程度は仕方がないのではないか。
ある程度駐車場が存在していないと、マイカーが主流となっている車社会では、中心部に買い物客を呼び込むのは難しい。
こうした時代の流れで生き残っていくための苦肉の策であり、必要悪である。


しかし、この駐車場はひとえに悪玉としてみられるべきなのだろうか?


車社会の進展と、市街地への回帰を進める中で、このような景観が増えていくのは必至ではないだろうか。

そんな中で、新たな見方はできないだろうか。




★町の姿を想像する★


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(大阪市北区中津。梅田に程近い土地の空き地と駐車場が重なり、広大な空き地に。)



今まで築き上げてきた都市を、失ってしまったかのように広がる広大な空き地…。
つくづくマイナスの印象を与えてしまっている駐車場。

だが、別の見方もできやしないだろうか?

この場合は大都市の真ん中に広大な空間ができることで、都市の姿を広い場所から見渡すことができる。とか。
あるいは、大都市なのになんでこんな広い空間があるのだろうと、謎めいた印象を受けたり
必ずしもマイナスではない見方もできないだろうか。


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(愛媛県今治市。奥にさらに駐車スペースがある。)


また、この写真のような駐車場の奥に駐車場があるような街区のように
「昔は元々駐車場があった裏手が、手前の民家が潰れることによって駐車場がつながり、いびつな街区になった…」
というような街区の成り立ちを想像する楽しみもできるのではないだろうか?


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(大阪市北区中崎町。車の前と後に路地が通る。駐車場のあったところは古民家。)


このパターンは、道と道の間の民家を取り壊すことで、後ろの民家が現れるが、道は残ることで、駐車場以前の街区が残ったまま駐車場化するパターンである。
したがって、従来の駐車場のように真四角でなく、三角形だったり、いびつな台形の街区の中に駐車場ができる。

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(大阪市北区西天満。四つ辻の左上の区画は、すべて駐車場。駐車場の周りを道路が走る)

このパターンは、四つ辻の左上、左下が駐車場、右上、右下が建物となっている。
左上の街区は、自動販売機以外何もなく、約3台が停められる駐車場が、四方を道路に囲まれてしまっており
以前建物が存在したときの街区の形を残したまま駐車場になったものである。


このようないびつな街区を残した駐車場は、土地から建物を少しずつ壊して、駐車場化を徐々に進めていく過程に起こるもので、同じく街区の移り変わりを現したものである。
これらの街区を見ることによって、町の以前の姿を想像するという楽しみもできないだろうか?
たとえば、廃線跡なんかを見て歩くように。




★意外な世界が見えてくる★


これだけでは、「だからどうした?」と言われかねない。
だが、僕が最もこの駐車場でおもしろいと思うことは
中心部が駐車場となって空くことによって、周りの壁などに思わぬものが出現することなのだ。

それは、駐車場でも商店でも住宅でもない、人をふと立ち止まらせるような、偶然の景観だ。

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(高知県安芸市。「東陽館」という古い館。ユースホステルだったこともある。)


これは高知県東部の中心都市、安芸市に江戸時代からと思われる古い建物だ。
すでに増改築を重ね、江戸時代と現代の様式が混ざった異様な形をしているが
隣の民家が取り壊され、駐車場になることで
隣の民家の跡がクッキリ残り
、さらに異様な姿になってしまった。
細い建物なのか、後ろの錆びたトタン板の壁部分までまる見えになってしまい
あたかも現代アートのような壁画を出現させてしまった。

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(下関市唐戸商店街。下関市は市街地が軒並み衰退している。)


これは、民家が取り壊されることで、赤い壁のビルに民家の形と建築材料が残り
これまた存在感のある巨大壁画になってしまった。
また、かつては両家を2階のドアで移動できたのだろうか、ドアが2階で浮いたままになって残ってしまった
不思議な情景を見せてしまっている。
マグリットの絵画のようなシュールさだ。


psmsk03.jpg
下関市グリーンモール商店街。店がなくなると…違法建築っぽいアパートが!)


同じく下関の商店街沿い。
アーケードの建物が一つ欠けると…
古い住宅のベランダに、謎のコンテナが建っていたりする
今なら違法建築になるようなシロモノが現れた!


今まで覆っていた壁が消えることで、新たに見えてくる生活の姿があるのだ。



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(松山市の松山城の下。駐車場にすると、石垣が現れた!)


松山城という歴史遺産を覆っていた建物も、駐車場にすることで
石垣が現れた。

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(高知県四万十市(旧中村市)。近代建築に、くっきり家の跡が)


おそらく100年もののコンクリート建築の背後にあった建物が壊され、駐車場となることで
なんと民家の形や壁がクッキリ残ってしまった。
特に建物の右側は、壊された方の建物の輪郭が残り、消えてもなお存在感が強い。
歴史的な建築に、また新たな歴史を刻んでしまった。

だが、それは良いものなのか悪いものなのかは、今の時点では判別はつかない。



このように、中心部に現れた駐車場は、都市景観を破壊し、市街地の空洞化を招くとされているが
新たな景観を出現させてしまうこともある。
人間が作ろうとしてできることのない、偶然の景観を。


それに美を見出す人もいれば、醜いと思う人もいる。
人によって価値観の捉え方が変わる景観に
良いも悪いもないのではないだろうか。


ただただ、時代の流れとともに市街地に増えていくばかりである。
それは従来とは違った、市街地の新たな都市景観として
人々のイメージとして当たり前のように取り込まれていくだけなのではないだろうか。


当サイトでは、このように駐車場化していく市街地の姿を追い続けていくつもりである。


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